中国元の切り上げ観測が強まってきていますが、
結局のところその影響ってどんなものなんでしょうか。
ちょっと考えてみたところ、
「工場だった中国が市場として再登場する」
ということになるのかなぁと。


中国元の切り上げは、
現地に工場を作って輸出していた企業にとっては、
利益が少なくなりますから悪影響になるでしょう。
それは、対中貿易赤字で悩んでいる米国の対策として、
中国元への圧力があることからもわかります。


では中国自身にとってどうなるかと考えると、
輸出で不利になる分だけ輸入に有利になるわけで、
得する部分も多いわけです。
むしろ、自国の購買力が上がるわけですから、
中国国内のマーケットは膨張します。


つまり、中国に何かを輸出する企業にとっては、
利益が増える可能性が高いわけです。
中国において同じものを同じ価格で売ったとして、
切りあがった分だけ利益が増えますから。


となるならば、日本企業の対中戦略をみたときに、
中国市場ターゲットの企業というのは、
今後が当然ながら楽しみになるはずです。

日本企業の場合、地理的な近接性はメリットのはず。


また、中国で何かを現地生産している企業であっても、
中国からの輸出を減らし、中国国内向けに回せば、
影響は小さくなる可能性が高いのではないでしょうか。
もっとも、高付加価値の製品はまだ難しいかもしれませんが。